鈴木翔くん(中央)とお母様(左)。右は3年間担任を務めた教務統括の福屋

鈴木翔くん
静岡高校卒。高校入学と同時に工藤塾に入塾。名古屋大学医学部に現役合格。

高校1年生の入塾時から担任を務めた教務統括の福屋と共に、親子で医学部受験を振り返ってもらいました。

工藤塾に入塾したきっかけを教えてください

お母様:いとこの子が工藤塾にお世話になって医学部に進学しており、「いい塾だよ」と勧めてもらいました。
翔くん:現役生は1対1の個別指導なので、それが良かったです。どうしても集団授業だと、自分の進度とずれてきてしまいます。自分のペースで進められるのは、本当にありがたかったです。それと、東京からいらしている先生が多かったので、常に東京の学生と比べられました。実際に争うライバルたちと比較されるのは刺激がありますし、自分の現在地が分かって良かったです。

どんな生徒さんでしたか?

福屋:理解力がとても高いと驚きました。物理であれば、全範囲の講義を終えるのに大体1年から1年弱かかるものなのですが、半年ちょっとで終えることができました。1回説明しただけでは、現象がよく分からないということはよくあるのですが、それがあまりありませんでした。苦労したのはコンデンサーくらいですかね。
翔くん:コンデンサーは、はまりましたね(苦笑)。
福屋:ここは大体みんなつまずくので、心配はしていませんでした。一度説明して、「ここまで理解したな」という地点が、はるかに高かったです。

理解力が高いとは、具体的にはどういうことでしょうか

福屋:言われたことを「こういうことなんだな」と自分の中に落とし込むスピードが早いんです。まさに一を聞いて十を知る能力です。物理は問題演習が非常に重要ですが、その前にどういうことか理屈が分からないと演習しても全く身に付きません。でも、翔くんは、1回説明すれば、あとは自分でできるようになるんです。

ところが、ここをちゃんと理解していれば、関係するこの問題も解けるはずだよね、と見た目が違う問題に取り組ませてみると全然解けないという課題がありました。説明を聞いているときは理解しようとしているんですが、問題を解くときの発想が全然違うんです。処理になってしまっていたんです。理解と実行が分断されているようなイメージです。講義を聞いているときは学ぶ姿勢ができているんですが、アウトプットのときには「こう来たからこう」とパターンに当てはめるだけでした。3年生の半ばくらいまでは、アウトプットの改善が中心でした。

翔くん:話を聞いて理解はできるんですが、問題を解くときには、それがどこかに行ってしまうんです。処理していって、つまずいたら、「あれ?」ということがよくありましたね。

福屋:考えれば分かるのに、考えないから詰まってしまう。3年生の夏まではそれが課題でした。その後に課題として出て来たのはミスですかね。計算ミスや、問題の読み違い、あるいはそもそも問題を読んでいない。問題をパッと見ただけで、「こういう問題だろう」とパターンが読めてしまうんですね。実はそうではなくても、そう読んでしまう。「これを使って答えなさい」という条件を無視するので、答えが合っていても使ってはいけない文字が入っているから不正解とか。ことごとく条件を無視する(笑)。
お母様:小さい頃からテストの計算ミスとかは多かったですね。ミスをしないことが大事だと、言い続けて来たのですが、聞き流されてきたようです(苦笑)。
福屋:工藤塾では私を含め、他の科目のいろいろな先生からも「ミスが多過ぎる」と言われていました。本来の力を出せば正答できるだけにもったいないと歯がゆかったです。
翔くん:国語なんかはしっかりと読まないと解けないんですけど、物理だとパッと見て「あの問題だな」と判断して解き始めてしまうので、ミスが出てしまっていたんです。
福屋:それでも、年末には、ほぼミスは無くなりました。
翔くん:ミスをなくそうと、必死に頑張りました。
福屋:各科目の先生にだいぶ厳しく言われていましたね。特に私が指導してきた物理、そして化学と数学では言われっ放しだったと思います。物理は問題の構成上、最初にミスをすると大問を丸ごと落とすこともありましたから、辛抱強く指摘し続けました。

当初は数学が苦手だったとか

お母様:国語とか社会は好きだったんですよね。でも、数学は昔からミスが多かったので・・・。
翔くん:勉強した割には高得点にならなかったんです。ですから、高校1年生くらいまで苦手意識がありました。
福屋:苦手意識を克服し、センターでは満点を狙うと言い出したのは高校3年生になったあたりからでした。
翔くん:工藤塾で、数学の先生に「どうせなら満点を狙え」とハッパをかけられたんです。入塾当初はあまりできなかったので、怒られてばかりだったのですが(笑)。工藤塾の先生は、皆さん結構厳しいんです(笑)。
福屋:翔くんの力を買っていればこそですよ。どの講師も最初から「能力は高い」とずっと言っていましたから、必要であれば厳しいことも言います。
翔くん:高1、高2のときは、工藤塾で褒められた記憶がありません(苦笑)。

福屋:理解力は図抜けていましたが、復習が不足していました。名古屋大学医学部合格を目指して工藤塾に来たわけですから、そのレベルに達していなければ褒められません。
お母様:物理と化学も、3年生になって、ずいぶんと成績が上がりました。工藤塾で指導していただいたお陰です。
翔くん:ただ、高校2年生のときからやっておけば良かったと、高校3年生になって痛感しました。高校3年生での理科は、本当にしんどかったですから。
福屋:特に物理はキツかったと思います。「これで出来るようになった」となるまでは、全然得点が伸びない科目なので。ミスはともかくとして、解ける解けないで言えば「大丈夫だな」となったのは、夏明けでしたね。それまでは努力していないわけではないのに成績が伸びないので、相当辛かったのではないでしょうか。
翔くん:そうですね。だいぶ苦しみました。それまで数学中心の勉強をしていたのに、いきなり理科中心の勉強になりましたし。
福屋:そんな勉強法を工藤塾で推奨したわけではないですからね(笑)。でも、それまでに数学を得意にできていたのが大きかったです。苦手意識どころか、むしろ数学で点を取るんだというように変わっていました。

文系科目は順風満帆だったのでしょうか?

お母様:いえ、そうでもないんです。高校3年生のときに、国語の受講を勧められて、実はすごく悩んだことがあるんです。国語はもともと得意でしたし、配点比率を考えても週1回120分の時間を授業に割くメリットがあるのかが分かりませんでした。その分、苦手だった数学などを増やした方がいいんじゃないかと思ったんです。
福屋:センター試験の国語はそんなに心配していませんでしたが、得点が安定していなかったんです。今まで得意ではあったのですが、方法論的に解いているわけではなかったので。
翔くん:確かに、人に説明しろと言われると難しい状態でした。
福屋:加えて、志望校の名古屋大学は二次でも国語があり、かなり難度が高いことで知られています。ここを能力だけでクリアしようとすると、相当厳しいと判断したんです。実際に二次の問題に取り組ませて国語の先生と相談したところ、「現状としてはよく出来ているが、合格となると厳しい」という結論でした。
お母様:理由をお話しいただき、国語はやはり自分で勉強するというのがなかなか難しいのかなと納得できました。やはり人に見てもらい、系統立てて勉強する必要がありました。結果、3年生の後半からは得点も安定してきましたし、工藤塾に任せて良かったなと感謝しています。
翔くん:家ではほとんど国語の勉強をしたことがありませんでした。本当に工藤塾の授業と宿題だけでしたね。
福屋:もう一つ言うなら、私立も受けるので、小論文対策の意味合いもありました。文章を論理的に読解できないとそもそも書けませんし、記述の対策をすることが、小論文を書く上でプラスになるだろうと考えました。実際、後半の授業では「書き方がなっていない」ということで、小論文対策もしていました。

センター試験の手応えはどうでしたか?

お母様:1日目が終わって帰ってくると、難しい顔をしていたので、失敗したのかなと心配になりました。
翔くん:地理で噂になったムーミンの問題が解けなかったんですよ。他にもちょっとずつ間違えた自覚があり、悔しかったんです。
お母様:しかも、テレビのニュースを見た私が「ムーミン出たんだってね」と言ってしまったんです。
翔くん:家に帰って来て、第一声ですよ。
お母様:雰囲気を和ませようと思って話題にしたのですが、逆効果でした(笑)。

翔くん:自己採点する前ですが、国語と英語は手応えがあっての地理の失敗だったので、なおさら悔しかったんです。福屋先生にずっと「東京大学の理科三類を受けても通るだけの点数を取ろう」と言われていたので、「これは2日目を頑張らないと」と気合いを入れ直しました。

すると、センター試験2日目は、少し緊張感があったのでしょうか

翔くん:1日目よりはだいぶ緊張しました。好きな文系科目で失敗してしまったので、理系で絶対に取り返さないとと思いました。
福屋:結果はどう受け止めていますか?
翔くん:数ⅠAは少し失敗してしまいました。数学と理科は満点を狙える教科なので、悔しかったですね。
福屋:物理は満点を取って当然、96点だと悔しがらないといけない科目だよ、と言い続けてきました。
翔くん:高校3年生の前半は「何を言っているんだろう⁉︎」と信じられなかったのですが、後半になると、だんだん言われている意味が分かってきました。
福屋:国公立医学部志望で物理を選択した以上は、センターでは満点を目指すのが当然です。センター試験で時間を使い切って解けない問題があるようでは、国公立の二次試験には太刀打ちできませんから。
お母様:この目標設定はありがたかったですね。目標を高いところに置いていないと、どうしても緩むところが出てきてしまうと思っていましたので。
福屋:今年は、東京大学の理科一類でセンターが全科目満点だった人がいて話題になりましたが、多くの人が狙っていることも間違いありません。夢物語ではなく、自分なら可能だと思っている人は、全国には割といます。旧帝大の医学部を目指すのであれば、不可能ではないと思って臨まなければいけません。

進学に向けてメッセージをお願いします

福屋:2月に実施した、名古屋大学2次対策授業の終わり頃には、「今やれていることができれば問題ない」と全科目の先生が太鼓判を押していました。その能力はやはり稀有なものです。生まれ持ったものだけでなく、努力して得たところもあると思います。それはさらに磨いていってほしいです。そして、地道な仕事も厭わず、丁寧にやってください。そうすれば、頼りがいのある良い医師になれると思います。期待していますので、これからも頑張ってください。
翔くん:ありがとうございます。

聞き手:三山 真太郎(教育情報センター)