3月17日に開催された、静岡サレジオ高校の「医学部ガイダンス」で講演させていただきました。新高校1、2年生の保護者様を対象に、塾長の工藤勝彦より「医学部受験の現状と変化」「静岡サレジオと工藤塾の提携で目指すもの」などを紹介いたしました。講演でお伝えした主な内容を以下にまとめましたので、医学部受験の参考にしてみてください。

静岡に医師を

静岡サレジオさんが、なぜ塾と提携しているのかと不思議に思う方もいらっしゃるかと思います。それは、工藤塾が一般的な予備校や塾と性質が違うことも影響しています。工藤塾は、実は医師の方の要請で誕生した塾なんです。静岡で医師を目指す環境を作ってほしいということで、場所や資本を提供いただき、スタートしたという由来があります。

静岡は慢性的に医師不足に悩まされていますから、お預かりした生徒さんには合格してもらわないと困るんです。高齢化が進むと、近隣に医師が必要になってきますが、比較的大規模な病院ですら医師が不足しており、閉鎖している診療科があったりします。ですから、静岡の人に医師になってほしい。そして、できれば静岡で医師として貢献してほしい。個人病院も、後継がいなければ、閉鎖せざるを得なくなり、ますます地域の医療サービスが低下していってしまいます。皆さんには、ぜひ、医学部合格に向けて、頑張ってほしいと思います。

医学部受験に起きている変化


さて、その医学部受験ですが、今年から変化が起きています。医学部が全体的に難化し、東京医科大学に受かった生徒さんが 、ボーダー偏差値は62.5の大学に落ちるといったことが実際にありました。これは、受験制度の変更が影響していると考えられます。1つは、センター試験から大学入学共通テストになり、現代文と数ⅠAで記述問題が採用されます。ですから、記述のない今年のうちに、入れるところに入ろうという流れがあります。

もう1つは、各大学の募集定員の縮小です。高齢化の進展に伴い、医師不足対策として定員を暫定的に増やしてきましたが、予算が限界にきており、来年から順次縮小化していく見込みです。募集定員が縮小されれば、当然難度が高まりますので、こちらの面からも今年は志望レベルを下げてでも受かったところへ行くという動機付けになります。上位の医学部はもともと最難関ですから変化はありませんが、医学部全体として、入試レベルが難化してしまっています。

大学を知る

医学部合格は確かに高いハードルです。このハードルを超えるためには、高く跳ぶ技術を身につけるか、助走を長く取るかの2つです。できれば、両方身につけたほうがいい。そして、しっかりと作戦を立て、対策することです。

国公立は、どの医学部も旧帝大レベルの学力が求められます。センター試験のボーダー得点率は83〜94%です。最も低くても83%は必要なんです。浜松医科大学であれば、90%近く欲しいところです。静岡から近い山梨大学は、82%の得点率だと、二次試験を受けることすらできません。ですから、まずはセンター試験でしっかりと得点することが第一です。工藤塾でも二次試験で逆転して浜松医科大学に合格した生徒さんがいるので、絶対にセンターで高得点を取らなければということではありませんが、得点が低いとそもそも受験できない事態もあり得ます。

そして、二次試験の特徴をつかまなければいけません。単科大学であれば、医学部の先生が入試問題を作るので、難度の高い試験になる傾向があります。逆に、総合大学の医学部であれば、医学部入試だけ別問題を作成するところもありますが、入試問題は全学部共通というところもあります。自分の強みが生かせる、あるいは自分の傾向に合った大学を選ぶことが大切です。

私立医学部のボーダー偏差値は62.5〜72.5ですが、これは一次試験突破に必要な学力面のみの話です。面接と小論文がある二次試験でも、まだ倍率は5倍くらいはあります。しかも、医学部は定員管理が厳格で、ほぼ定員通りの合格しか出しません。各大学が、どういう生徒さんに入学してほしいかを、しっかりと把握し、対策しておく必要があります。写真を見て思うところを述べよ、なんていう小論文を課す大学もありますので、ぶっつけ本番だと、まず何を書いていいのかが分からない可能性もあります。

しっかりとシミュレーションする

受験学年であれば、まずは合格最低点を確認しましょう。東海大学だと、問題の難度は高くありませんが、84%得点する必要があります。志願倍率も去年は98.8倍、今年も73.0倍と、非常に高倍率で、ミスが許されません。一方で、慶應大学は53.2%の得点で合格できますが、問題が非常に難しい。こういった特色を押さえておく必要があります。そして、各問題で何点取って、合格最低点をクリアするのか、そこまで突っ込んで考えてほしいんです。

これは、医師になってからも同じです。外科手術で、いきなりお腹を開いて、さあどうしよう、ではいけませんよね。考えられる限りのシミュレーションをします。そういう医師になりたいという生徒さんが、過去問をあまりやらないという状況はありえませんし、合格は非常に厳しくなると思います。

今年東海大学に受かった生徒さんは、赤本で過去10年分の問題に取り組みました。傾向が変わることもあるので、さらに昔の過去問題もやりました。そして、工藤塾で作成した対策問題もやってもらいました。そこまでやるからこそ、シミュレーションになるんです。頭に入れるだけだと覚えられません。実際に問題を解くことで、覚えていくことができます。得た知識を試してみるということが大切です。最初から出来る生徒さんはほぼいません。結果を踏まえて、どこをどう修正していくかが大切です。

父母の方の役割も非常に重要です。例えば、工藤塾だと、自習室を開けている夜10時まで勉強している生徒さんが多いです。それから帰宅して、「ちゃんと勉強しているの?」と問い詰められると反発したくもなりますよね。ですから、3カ月に1度くらいのペースで保護者の方とも面談し、日々どういった勉強姿勢で、学力がどうなっているのかをご報告しています。そこで、お子様の状況を知ってもらい、不安に思っていることを話してもらい、家庭では安心して応援に回ってもらいたいと考えています。保護者が応援してくれていると実感できれば、子どもたちは張り切って勉強に専念してくれるものです。