合格者インタビュー「鼓舞し合える環境が大きかった」(金沢医科大学医学部 合格)

Sくん 
加藤学園暁秀高校卒。2019年度AO入試で金沢医科大学に合格。福屋先生が担任

現役のときの医学部受験の手応えはどうでしたか?

Sくん:高校時代は特別一生懸命に勉強したということはありませんでしたから、無謀な状態のまま挑んだという感覚です。とても受かる気はしませんでした。

浪人することが決まり、工藤塾を選んだわけですが、決め手は何だったのでしょうか

Sくん:現役の時は夏期講習や冬期講習で東京の塾にも行っていたのですが、これは父の提案で、「寮だったとしても、一人暮らしをすると自分でやらなければいけないことが増えてしまう。そうすると勉強にすべての時間を投じることができなくなる。だから、実家から通えるところがいいんじゃないか」と言われたんです。それで、自宅から通える範囲で予備校を検討することにしました。

工藤塾に決めたのは、5人というゼミ形式の授業に魅力を感じたからです。今振り返っても、周りに一緒に勉強を頑張る仲間がいて、お互い鼓舞し合える環境が整っているというのは、めちゃくちゃ大きかったです。

これが、完全に個別だと、当然1人で勉強をし続けるということになってしまいます。孤独な戦いは、本当にきついと思います。小集団授業であれば、否が応でも毎日仲間に会いますし、お互い頑張ろうなと言い合えます。

実際に授業が始まってからはどうでしたか?

Sくん:クラスが習熟度別に分かれていて、自分と同じくらいの学力の人たちと切磋琢磨できる環境が、とても良かったです。科目ごとに「次はこの人を抜けるように頑張ろう」とか、「次も抜かれないようにしよう」とか、刺激を受けることができました。

同級生や先輩たちと、お互いに自分に役立ちそうなことを取り入れることができたのは、小集団でコミュニケーションが取りやすい環境だったからこそだと思います。完全個別だと、誰かと話すことすらなかったかもしれません。

福屋:カリキュラムがスタートして、ある程度お互いのことが分かるようになってきたら、なるべくみんなで議論していくのが理想的だと考えています。それは10人20人いると無理なんです。もはや他人ですから。それが5人くらいだと、自分から意図的にシャットダウンしない限り、他人とは言っていられません。一家族くらいの人数ですから。

それでも、Sくんは、こちらの想定以上にそういった動きを牽引してくれました。他のクラスも自然とディスカッションするようになってくれました。

英語と物理が課題でした

Sくん:特に学力向上が急務だったので、この2科目は個別指導を追加しました。英語を担当していただいたK先生の存在は、とてもありがたかったです。

福屋:K先生は、私とタイプが似ていて、「この問題はこういうことを問われているから、こう考えて実行すると良い」という指導をするタイプです。考え方が先行するというか、方法論を大事にする先生なので、Sくんに合うと思ったんです。

Sくん:本当に私に合っていて、特に読解力が大幅に向上しました。例外的な文法だが出題頻度は高いとか、実際の長文にはこの形で頻出するとか、そういう学びにつながるものが多かったので、授業を自分なりにファイルにまとめて、それを活用するようにしていました。

まとめファイルは全科目で作成しました。ホワイトボードに書かれたことはあえて授業ではノートに取らず、写真を撮るようにしていました。授業中は理解に努め、授業後に思い出しながらまとめるんです。数学では、問題をやるごとに、パターンではなく、考え方を書いていきました。先生の解説をまとめて、「なぜそうなるのか」を自分の中に落とし込むという作業です。発想方法は忘れないので、本番で解くときに役立ちました。

まとめファイルの一部

福屋:物理は入塾当初から個別授業を受けていたので、夏前には課題ではなくなっていました。

Sくん:知識を書き換えるレベルで、根底からやり直しました。そうすると、暗記がどんどん理解に置き換わっていって、確実に学力になっていきました。

福屋:そもそも物理に暗記事項なんてほとんどありませんから。理解したら頭に入ってしまうくらいしか知識量はありません。物理は公式を暗記しようとしても学力が上がりません。

Sくん:本当にそう。間違いないです。現役時代は文字式として公式を覚えていて、値を代入して出る答えしか出せませんでした。理解をしていなかったので、少し難度が高くなると手が出ないという状況でした。それが、理解するようになると、どんどん応用問題も解けるようになりました。

あと、化学でも物理でも、工藤塾では日常に結びつけながら教えてくれました。何を口から摂取して、自分が日常的にどんなものに関わって生きているのか、日常に興味を持つのは大事だと思いました。

福屋:興味を持つことができれば勉強が楽しくなり、忘れないことにも繋がります。日常と結び付けないと実感が伴わないですし、勉強が苦行になってしまうのではないでしょうか。もちろん、そればかりだと受験に間に合わないですが、それが一切ないのはどうなんだろうかと思います。
Sくん:そういう考え方に接したのが初めてでした。それもノートにまとめています。勉強が苦行になると、受験勉強が地獄になってしまう気がします。

福屋先生は、入塾当初からSくんは1年で合格するだろうと言い続けていました

福屋:もともとの素質として、「何が問題となっていて、それに対してどうするか」を考える姿勢がありましたから。保護者の方にもお伝えしましたが、勉強に対する姿勢は高く評価していました。

これは、Sくんが、いろいろなことに興味を持って、それに対してある程度突き詰めていく経験をしてきたから、もっと言えばそうさせてくれる環境をご両親が整えてくれたからだと感じています。それが、最初から思考力が身についていたことにつながっているんだと思います。

Sくん:印象に残っているのは、「雲ってなんだろう?」と疑問を持ったときに、父から「じゃあ雲を作ろうか」と言われたことです。実際にやってみようと言ってくれるタイプでした。「積み木はすぐに崩れるのに、なんで家は頑丈なんだろう」と疑問を持ったときは、「家を作ろう」と(笑)。それも、本当の建築と同じように、土台から作り始めたんです。

大きくなったら疑問にも思わないことでも、小さい頃は不思議に感じることってたくさんあると思うのですが、基本的には「じゃあ、やってみよう」「考えてみよう」と、興味を伸ばしてくれました。

福屋:Sくんが「あとは勉強をやればいい」という状態で入塾することができたのは、そういった経験が大きいんだろうなと感じます。授業時にも「これは分解したことがあります」とか、いろいろなエピソードを聞くことができました。興味に対してできるだけ応えようとしてくれるというのは、一つの理想的な環境だと思います。

Sくん:確かに、プログラミング、ラジオ作りなど、いろいろ経験させてくれました。

福屋:根底にある、「子どもが興味を持ったことを止めない」という考え方がすばらしいと思います。人は、最初はいろいろなものに興味を持ちますが、成長にするに連れて興味を持たなくなる人が多いように感じています。これは、やはり周囲の人達、環境の影響が大きいと思います。「なんだろうね」「わからないね」でもいいんです。興味をもつことを止めないでほしいですね。

Sくん:幼稚園くらいのときに、自転車を買ってもらって、ギアを変えるとペダルをこぐ重さが変わることが驚きだったんです。それを不思議に思っていたら、父がギアの仕組みについて解説してくれました。普通の父親だったら「理解できないだろうな」と説明なんてしないと思うんです。

福屋:それが大きいんです。「子どもだから」ではないんです。

Sくん:そうなんです。ですから、今でもはっきりと覚えています。それに、現役時代はほとんど勉強しなかったにも関わらず、浪人して医学部に挑戦することを認めてくれた両親には、本当に感謝しています。